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zoom RSS 八ヶ岳花と樹木の旅 高山植物を知る(その1)

<<   作成日時 : 2009/06/09 13:16   >>

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 5/30-31と八ヶ岳の硫黄岳山荘が主催した八ヶ岳自然と森の学校「高山植物を知る」に参加した。

 前回アップしたツクモグサにも出会った山旅である。

 講師は長年地元で高校の先生をしていた植物生態学の専門家のN先生。

 岳麓公園で開校式があった後、まずは夏沢鉱泉へ向かった。

 途中のポイント(桜台のゲート付近)で、さっそく講義。

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 八ヶ岳は亜高山から高山帯を持つ。
 ダケカンバなどの広葉樹林、シラビソ、オオシラビソ、コメツガなどの針葉樹林が生育する亜高山からハイマツ帯を経て森林限界(最近は高木限界というそうだ)を超える高山帯まで、さまざまな生態系を懐に抱いているのが八ケ岳だ。
 高山帯は厳しい環境(寒さ、強風、砂礫、岩稜・・・)だが、そこに生きる術を求めた高山植物達が生育する。


 見上げれば、山肌は針葉樹の濃い緑と、まだ芽吹いていないダケカンバの灰白色がパッチワークとなっている。
 標高の低いところに生育するシラカバはすでに芽吹き、鮮やかな緑の葉を開いていたが、もっと標高の高い所に生育するダケカンバは芽吹きがシラカバよりも2週間ほど遅いのだという。葉を開くのが早すぎて、寒の戻りでせっかくの芽が痛むことのないように、十分気温が上がってから芽吹きを迎えるのだという。

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 ゲートの近くではヤマナシが満開だった。

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 八ヶ岳は水も豊富だ。苔生した林床もまた八ヶ岳の森の魅力だ。

 沢水の流れるところには湿地環境もある。

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 コケや地衣類が土壌を作り、そこにまた森が育っていく。

 パイオニアの植物がまず生育し、また新たな環境が生まれ、さらに新たな植物が次の世代を担っていく。次々と森が生まれ変わっていく。しかしその交替は何百、何千、あるいは何万年の歳月の積み重ねで出来ている。
 高々100年ほどの寿命しかない我々はその時間断面を垣間見ることしかできない.....

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 さて、森林である。八ヶ岳の亜高山帯には、先にも書いたようにシラビソ、コメツガなどの針葉樹とダケカンバが混じる森林が広がっている。

 代表的な針葉樹はシラビソ、オオシラビソ、トウヒ、コメツガ、モミの5種だそうだ。

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 シラビソ。枝を見てみよう。葉の付け根に茶色の枝が見える。

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 オオシラビソは、葉が密生して枝が見えない。葉を揉むと柑橘系の香りがするのも特徴だ。

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 コメツガは岩の上などに育ち、葉が短い。

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 トウヒは葉の先がとがっていて、触ると痛い。(写真良いのがありません・・・




 足元には、こんなやつらも....地衣類。ウグイスゴケかな?

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 まだまだ花の季節には間があるので、花の数は少ない時期だが、硫黄岳に向かう途中のオーレン小屋の傍で、ヒメイチゲやオウレンに出会った。


 ヒメイチゲ。キンポウゲ科。白い花びらにみえるのは実は萼片なのだ。キンポウゲ科にはこんなのが多い。

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 オウレン。キンポウゲ科。オーレン小屋の名前になっている花。小さくて地味だが、アップにするとなかなか見ごたえのあるフォルムだ。

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 オーレン小屋から夏澤峠へ。雪がまだ残る山道を行く。

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 夏沢峠を過ぎて、いよいよ硫黄岳へ。

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 すでにハイマツ帯だ。強風を避け背が低い。

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 爆裂火口の傍らの道を、硫黄岳山頂へ。

 
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 山頂からは、最初はガスがかかって見えなかったけれど、しばらく待った甲斐があって、横岳、赤岳、阿弥陀岳など、南八ヶ岳の主峰を望むことができた。


 赤岳。2899.2m。

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 明日向かう横岳。2829m。

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 立体視でどうぞ。

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 頂上にはミヤマキンバイがひっそりと咲いていた。

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 硫黄岳を経て、今夜の宿である硫黄岳山荘に向かった。

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 硫黄岳山荘の周りには自然園がある。まだ花数は少なかったが....


 コメバツガザクラ。先がつぼんだ壺状の小さな白い花。相方Kがやたら気に入った。口をとがらせて「ホッ!」と言っているように見えるのが良い。

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 ウルップソウ。まだつぼみの状態。マツカサのような形の下の方から花が付いていく。本邦ではここ八ヶ岳と白馬岳にしかみられない。昔、白馬岳(ハクバダケじゃなく、シロウマダケと読んでね!)で、花期からかなり遅かったのでミイラ状になったものを見ただけだったので、ちょっと感激。

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 硫黄岳山荘では食事のあと、N先生によるスライド上映などで高山植物の勉強会があった。

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 N先生は山の上にまでハイマツなどの重たい年輪の標本を持ってきていた。

 N先生らの研究によると高山のハイマツは年に0.2mmとか0.5mmずつ成長していた。20cmほどの太さでも150年の年月を経ているのだ。年によって成長の速度が違うのだが、過去の歴史に照らし合わせると飢饉のあった年(天候が不順で気温が低かった時期)の成長が遅いのが一目瞭然なのだ。


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 N先生の研究をもとに思想史家の藤田省三という方が「松に聞け」という随筆を書いておられるという。スカイライン開発で伐採されたハイマツ。そこに何を見たか。

 随筆の冒頭。

「小さな水滴でさえも全世界を映し出す、という美しい言葉がある。ささやかな、いかにも小さな事にも、世界の姿は現われている。しかしそれを見てとるには、澄んだ目と良い耳を持たなくてはならない。ささやかなものに、きみは何を見出せるだろうか」





 さて、横岳への旅は翌日である。長くなるのでここでいったん筆を置き(?)、次回へ続く。



P.S. 岳麓公園にて。

 白い綺麗な花。サワフタギ。

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 と....、何やら綺麗な物体・・・・・いや芋虫

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 あとで調べたら、サワフタギを食草とするシロシタホタルガの幼虫なのであった。

 やたら派手な装いの幼虫にして、成虫はえらく地味なんである。






 

 

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