サメ、エイの驚異! 美ら海水族館

 美ら海水族館には「サメ博士の部屋 危険ザメの海」というコーナーがあって、各種のサメが飼われている水槽と隣り合わせに色々な資料が展示してある。

 いろんなサメ肌標本とか、サメの輪切りとか・・・

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 ジンベイザメのムービーを取っていると、相方Kがサメ博士の部屋から出てきて、

 「ねぇねぇ、サメって、4種類の産み方があるって。卵で産まれるのとか、お腹の中でかえって共食いしちゃうのとか、おもしろいと思わない?!」

 ふむふむ。面白くないわけがない。

 というわけで「サメ 軟骨魚類の不思議な生態 矢野和成著、東海大学出版会」を購入。いやぁ、実に興味深い。

  サメ(エイも)には卵生の種と、胎生の種があるという。胎生の種があるというだけでビックリ。魚なのにである。臍(ヘソ)はどこにある?!

以下、同書籍からの受け売りである。誤って理解しているかもしれないので、興味を持った方は是非同本を参照していただきたい。結構ややこしいのである。

■卵生
 卵黄の栄養だけで成長するもの。
 これには2種類ある。

1)体外産出型卵生
 卵殻を海中に生み出す。海藻やサンゴにうまく絡みつかせたりする。海岸に流れ着いた卵殻は西洋では「人魚の財布」と呼んだりしたそうだ。卵殻の中の胎児は卵黄の栄養だけで成長。なので卵は比較的大きい。卵黄を吸収し卵殻内で十分成長した胎児は卵殻を破って海中に出てくる。この時の胎児は外卵黄嚢がすべて吸収され、おとなと同じ形態で遊泳を開始する。
 →トラザメ、ナヌカザメ、ガンギエイ類、ネコザメなど。

2)体内保持型卵生
 子宮内の卵殻内の胎児の大きさが7cm程度になると、順次産出されるのだそうだ。
 あまり詳しい説明がないので、次にあげる胎生種の偶発胎生との区別がよく分からない・・・・。
 →ナガサキトラザメ


■胎生
 大きく分けて2種類。

1)偶発胎生
 卵殻に包まれた受精卵が子宮内でふ化し、卵殻につつまれた胎児を産むもの。
 (上の「体内保持型卵生」との区別が良く分かりませんでした・・・)

2)真正胎生
 2-1)卵黄依存型
 母親から栄養源をあまり受けることなく胎児が成長する。
 (この種の中に「外卵黄嚢依存型」(下記)が含まれるとあるが、「外卵黄嚢依存型」以外の形態がよく分からなかった。サケの稚魚のようにお腹の中に卵黄を持っているものかしらん。)

 [外卵黄嚢依存型]
 →卵黄物質を主要な栄養源とする生殖様式。(同署の写真の例を見ると、卵黄の入った袋(嚢)がからだの外にくっついている。)
 卵の栄養だけで大きくなるので、卵が大きい。胎生の中では最も原始的。アブラツノザメ、トガリツノザメ、フトツノザメ、ジンベイザメなど。

 
 2-2)母体依存型
 母親から栄養源を受け取って胎児が成長するもの。さらに以下の3種に分かれる。

 [胃卵黄型(卵食型)]
 →シロワニ、ネズミザメ、アオザメ類、オオテンジクザメ、ホホジロザメなど。
  シロワニでは胎児が5cmくらいに大きくなると、子宮内の卵殻から抜け出て子宮内で胎児の共食いがはじまり、強い胎児が生き残る。生き残った胎児は母親が排卵する卵を子宮内で食べることで成長する。

 [胎盤類似型]
 →母体と胎児の間に栄養の受け渡しをする構造物が作られるもの。アカエイ類、トビエイ類など。

 [胎盤形成型]
 →胎盤状の組織により母体が胎児に栄養源を供給するもの。メジロザメ類、シュモクザメ類など。


 サメ類は少なく産むが、生まれた子供はすぐに高次捕食者となり、死亡率の少ない方法で種族維持を行ってきた。逆に漁業によるサメ類の漁獲圧が高まったり、海洋汚染などで死亡率が高まった場合にはすぐにも生息尾数が減少してしまうことことにもつながる。(・・・と著者は警鐘を鳴らしている。)


 ざっと、こんな感じである。恐るべしサメ、エイ類。


 ジンベイザメ。
 テンジクザメ目ジンベエザメ科。胎生なやつ。外卵黄嚢依存型なんだ。

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 オオメジロザメ。
 メジロザメ目メジロザメ科。胎盤形成型だな。臍はどこだ?!

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 ツマグロ。
 メジロザメ目メジロザメ科。これも胎盤形成型だな。臍はどこだー?!

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 ヤジブカ。
 メジロザメ目メジロザメ科。臍はどこ?!

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 シノノメサカタザメ。
 ガンギエイ目シノノメサカタザメ。サメに見えるがエイの仲間。体外産出型卵生だな。
 ちなみにサメとエイの違いは鰓(エラ)の位置。サメは側面、エイは腹面に鰓の孔(鰓孔、さいこう)がある。写真では分からないが、鰭の根元に鰓孔があるはず。
 ”スティングレイ”(海底大戦争 スティングレイ)の様なフォルム。もともとエイを模したものだし・・・似てるのは当たり前?

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 オグロオトメエイ。
 エイ目アカエイ科。胎盤類似型なのね。このエイ、泳ぎ方がクロール型(Kellyさん命名)。右左の鰭が交互に上下する。美ら海水族館の黒潮探検(水上観覧コース)で水面の上から撮影。

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 ヒョウモンオトメエイ。
 エイ目アカエイ科。やっぱり胎盤類似型なのね。これは同じオトメエイでも泳ぎ方は”はばたき型。”

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ナルトビエイ。
 エイ目トビエイ科。胎盤類似型なのね。・・・にしても受け口の変わった顔。

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 オニイトマキエイ(マンタ)。
 トビエイ目トビエイ科。胎盤類似型なのね。・・・・にしても大きい。お腹の模様で個体識別ができるという。
 「原子力潜水艦シービュー号」に出てくる「フライングサブ」(空飛ぶ潜航艇)に似てますね。

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 ちなみに、上にあげた本からの、またまた受け売りだが、サメは「鮫」、フカは「鱶」と書く。「鮫」は交尾をする魚だから、「鱶」は鮫が胎生であることから魚が養うと書いたそうだ。
 さらにサメは、昼は目が眠たそうで夜に醒めるから「サメ」。フカは深い所にいるから「フカ」だそうだ。
 エイは尾っぽが柄杓の柄に似ているから「エ」なんだそうな。



 では、ジンベイザメ、オニイトマキエイほかの泳ぎをご覧ください・・・・
 いろんなエイが泳いでいるのが面白いですよぉー。





 




サメ―軟骨魚類の不思議な生態
東海大学出版会
矢野 和成

ユーザレビュー:
サメ本の一冊としてサ ...
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この記事へのコメント

aoyome
2008年10月26日 23:33
AZMさん、
今日テレビのチャンネルをかちゃかちゃしていたら、ボビー親子がメキシコのカンクンでシュノーケリングでジンベイザメに近づいて体の模様をデジカメで撮影し、その画像をもとにしたデザインの甚平を作るという番組を見てしまいました。別にカンクンまで行かなくても美ら海水族館で十分なのに・・・
カンクンは寒流と暖流の潮目にあたるため餌となるプランクトンが多く、ジンベイザメがたくさんいるんだそうです。マンタも群れをなして泳いでいて映像はきれいでした。
2008年10月27日 00:11
aoyomeさん、ども!
ボビーって、ボビー・オロゴンさんですか?
確かにメキシコまで行かなくても、美ら海で十分ですね。大阪の水族館にもいるらしいですが。
ジンベイ模様って、藍染にかすり模様になりそう。ていうか、それがジンベイの由来ですね。

ジンベイザメではないけれど、シノノメサカタザメは新江ノ島水族館で見ることができるそうです。行ってみないと!
Q造
2008年10月27日 03:49
サメはマムシと同じで卵胎生だと思っていましたが、胎生の種類もいるのですね。
哺乳類も元は海から来たと言うし、不思議な世界ですね。
2008年10月27日 17:40
azm様、
いやぁ~、勉強になりました。ありがとうございます。
それにしても私は、なんだか「エイ」に惚れてしまったようです。(笑)
なんというか、まるで海の中を飛んでいるようなその姿に、宇宙をかんじてしまいました。
マンタとお友達になりたいなぁ~。

あ、そういえば、野生のイルカは、人間がサメに襲われそうになると、サメを攻撃して人間を助けるのだそうですね。

いつか野生のイルカと一緒に泳いでみたいと強く願っているのであります。
2008年10月27日 23:35
Q造さん、今晩は。
 マムシは卵胎生でしたねぇ。マムシには一度遭遇したことがあります。咬まれはしませんでしたが、知らずに至近距離に接近して写真撮ったりして、いま思うとゾッとします。

 さてさて、サメはかなり独特な生殖様式を持っているんですね。今回自分でもすごく勉強になりました。ほんと不思議な世界です。

 そうそう、紹介した本からの豆知識。ホホジロサメ(ジョーズなやつ)は餌生物にアタックする瞬間、目が裏返し(まぶたが閉じる?!)そうです。眼を保護するためのようなんですが。丁度名護に行っている時に見た「ダーウィンがきた」でやっていたメガネザルが、木に飛び移った瞬間目を閉じているんですね。やはり目を保護するため。なんか共通点を見つけやはり不思議な気がしました。
2008年10月27日 23:41
Kellyさん、今晩は!
 エイに惚れましたか。分かりますなぁ。あの泳ぎは、ゆったり空を浮遊しながら滑空している感じですね。鳥よりもゆっくりと飛ぶ浮遊感がたまらなく素晴らしい。せわしくなく滑らかだし。
 そして、あのフォルム、顔、いずれも宇宙人?!を感じさせますネ。

 さて、質問。マンタとイルカがいたらどちらをとります?!
2008年10月28日 20:47
う・・・
難しい質問です。
以前なら、即、イルカ!と答えたでしょうが、azm様の動画や、沖縄のマンタと少年の友情番組を観てからは、甲乙つけがたくなってしまっているのです。
マンタは、どうも宇宙人というか宇宙船というか、宇宙を感じてしまい、そのうえ、この愛嬌のある顔。意思の疎通を感じるか試してみたいと思いますし。
azm様のこの動画のせいですよ。(笑)
イルカは、やっぱり直接触れ合ってテレパシーなんぞをもっと肌で感じてみたいと思いますし。
う~~ん・・・困った!
こんな難問を出すなんて…
azm様のいけず!(笑)
アッシー映画男
2008年10月29日 12:34
ひゃーー、生まれる前に胎児どうしで共食いとは、この種類のサメは、なんともサバイバルですね。肩に重い人生(サメ生)をしょって生きていかねばなりませんね。太宰治先生の名言「生まれてきてすいません」を思い出します。
サメの「輪切り」、痛快なディスプレーですねえ。なんだかツナ缶のデザインみたいですね。獰猛なサメも、こうなっちゃうと。。。
2008年10月30日 00:31
アッシーさん、今晩は。お忙しそうで・・・
 シロワニはスゴイです。生を受けた時から十字架を背負っているような・・・と思うのは人間で、そうやって強い子孫を残す戦略なんですね。恐るべし。
 サメ缶。売れるかしらん?!
2008年10月30日 00:33
Kellyさん。ども!
ちょっと意地悪でしたね。ふふふのふ(byアッシーさん)。
マンタに乗って、イルカと遊ぶっていうのは如何。乗っかるのはマンタの方が空飛ぶ絨毯のようで面白そうでは?

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